鬱の腹の中で踊る

 

鬱病が発覚したのは実は最近のことなのだけど、無気力の波だとか身の回りのことができなくなるだとか死にたくなるとかいうことは、よくよく考えたら発病当時からよくあって、何が言いたいかというと、今、その波が来ている。

「ダメ人間」から「ダメ主婦」へ

夫と同棲を始めた頃から、自己否定をするときに出てくる言葉が変わって、見出しの通り、

「私はダメ人間だ」

から、

「私はダメ嫁だ、ダメ主婦だ」

となった。
これを「戸村サキ」の名付け親である年上の親友にこぼすと、

「何それ気持ち悪い」

と言われた。

今ならアイツがそう言った気持ちも分かる気がする。
自分を何にアイデンティファイするか、「人間」なら広義だが「嫁」や「主婦」としてしまうと、存在そのものでなく「主婦」という仕事、家事をして家を回すことを生業とする労働者から「失格」になってしまう。この差はそれなりにあるのではないかな。

鬱とは戦わない

そりゃ、戦わないといけないこともある。この気候で三日風呂に入らないとか洗顔すらしないとか、何の自慢にもならないが、社会動物として最低限やらなければならぬことはある(化粧は微妙)。

最大の敵はやはり家事である。
例えばシンクに洗い物がたまっている。シンクの前に立って、嗚呼、洗わなければ、と思う。思うだけ思う。だがどうしてか。鬱というやつに飲み込まれていると、スポンジを手にとって皿を磨くという行為自体が「もう無理ゲー」と思えてしまう。

じゃあどうするか

こんな時間に更新しているから(午前5時)、「早起きして家事してるのかしら!」とか思われるかもしれないが、いえいえ、二時に一回起きて洗い物だけして、四時にまた起きて夫の弁当作って、アイロンもせなあかんのやけどそれは昼間でいいやと逃げているだけです。ちなみに夫が出社したら二度寝する気満々です。

「そんなんで睡眠大丈夫なの?」とは、言われるまでもなく自分でも思う。
まして鼻毛先生(※主治医)には、「七時に起きて午前中に一時間歩いて二時間頭を使うことをして夜は十一時に寝る」という生活を推奨されている。

しかし私はどうしても中途覚醒というやつが起こってしまって、たいていはお手洗いに行くのだけど、ついでにタバコの一本や二本吸ってしまって、喫煙所がキッチンなものだからついでになんか家事を片付けようと思ったのだ。

話が大いにそれた

これを書いている現在、我がキッチンではウォークマンのスピーカーから大音量でロックミュージックが鳴っている。ちなみに米津玄師の「しとど晴天大迷惑」という縦ノリの曲である。

鼻毛先生に、不安が酷いとき、「大声で歌ってごらん」と言われたことがある。
これが私にはドンピシャであった。近所迷惑も恥もかえりみず爆音で音楽を流し、マジで熱唱する。歌うだけではヒマなので、皿を洗ったり料理をしたりする。たまに踊る。踊る大鬱病線である。

涙で腹は満たせない

さてここで皆さんに酷いお知らせだ。
これだけ酷い鬱のビッグウェーブが来ているにもかかわらず、実はもう一波、やってきているのである。

ずばり、「生理前のメンタルフルボッコ前線」である。

この二つが同時発生するともう酷い。昨日も一昨日も実家の母親に泣きながら電話してかつを入れてもらった。この分だと今日も危うい。何しろ今日は買い出しというミッションがある(最近スーパーのレジが恐い)。

私はよく泣く。
特に夕方、「さてそろそろメシの準備でも」という時間はまずい。号泣する。涙がぼろぼろこぼれて顔が滝になる。
しかし悲しいかな、この大量の水分は腹を満たすことができないのだ。顔が滝になっても鼻水が止まらなくても、疲れた夫が帰ってくるまでにリアルに食える何かしらを用意しておきたいではないか。
本当に無理なときは弁当とか外食にするけど、先月それやりすぎて採譜が火を噴いた。

だから私は鬱の腹の中で踊りながら家事をするのだ

たまに休憩しつつ、たまに寝込みつつ、踊ってやる。

鬱が「もうええわ」と言ってぺっと私を吐き出すまで、踊り続ける。

「ドトールには行けるくせに家事ができないとはなにゆえじゃ」問題についてはまた今度。

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